都立高附属中学、都立中等、九段中等受験の難しさを数字で確認。塾の授業料の詳細も
2020/03/28
都立中学の受験の難しさを数字で確認
この記事は、
「都立中学がダメなら地元の公立中学に通えばいいよね」
と安易に考えていた我が家の失敗を繰り返してほしくないと思い書いた記事です。
その心情的な面から書いた記事が「都立中学受験生の親に伝えたい!私立併願もしっかり検討して欲しい!」こちらですが、この記事では、具体的な数字を見ながら都立中学受験の難しさを考えようとする記事です。
都立中学に合格することは難しい
都立中学受験は難しい!
だったら、中学受験はあきらめよう
ということも一つの方法です。
私立を併願して、都立がだめでも私立に行ければいい
ということも一つの方法です。
都立がだめでも地元の公立中学に行けばいい
ということも一つの方法です。
ですが、
都立中学に全力を尽くしたけども望まない結果になった。
そして、
公立中学校に通いつつ、再び高校受験に全力を尽くす...
というのは親も子どもも誰も幸せになりません。
子どもは中学受験が終わったらまたすぐに受験勉強に駆り立てられます。
そして、親はその支払負担が求められ、コストパフォーマンスが非常に悪いのです。
嬉しいのは塾だけです。
都立中学の合格は非常に難しいため、私立も併願するか、中学受験を回避するという選択をとってほしい。
そのために、都立中学の合格がどれくらい難しいのかを数字を交えながら説明する記事となっています。
「都立中学」とは都立中等教育学校と都立高校附属中学、九段中等教育学校
この記事で言う「都立中学」とは、下記の 11校をまとめて「都立中学」と表現しています。
都立中等教育学校
小石川中等
桜修館中等
三鷹中等
立川国際中等
南多摩中等
都立高校附属中学
両国高校附属中学
白鷗高校附属中学
富士高校附属中学
大泉高校附属中学
武蔵高校附属中学
千代田区立九段中等教育学校
都立中学の各校の偏差値
まずはじめに、都立中学に偏差値を見てみましょう。
四谷大塚・80偏差値・男子
66 小石川中等
61 武蔵中学
60 桜修館中等
60 大泉中学
60 両国中学
58 九段中等
58 三鷹中等
58 南多摩中等
57 立川中等
57 白鷗中学
57 富士中学
四谷大塚・80偏差値・女子
66 小石川中等
64 武蔵中学
62 桜修館中等
62 両国中学
60 九段中等
60 南多摩中等
60 大泉中学
59 立川中等
59 白鷗中学
59 富士中学
58 三鷹中等
首都圏模試センター・80偏差値・男子
72 小石川中等
68 両国中学
65 桜修館中等
65 三鷹中等
64 九段中等
64 南多摩中等
64 富士中学
64 大泉中学
64 武蔵中学
63 立川中等
62 白鷗中学
首都圏模試センター・80偏差値・女子
72 小石川中等
67 桜修館中等
67 三鷹中等
66 両国中学
65 九段中等
65 南多摩中等
65 大泉中学
65 武蔵中学
64 白鷗中学
63 立川中等
63 富士中学
「四谷大塚ドットコム 偏差値一覧」より
https://ttt.onl/b
「首都圏模試センター 2020年1月版 2020年中学入試予想偏差値(合格率80%)一覧」より
https://www.syutoken-mosi.co.jp/application/hensachi/
https://www.syutoken-mosi.co.jp/application/hensachi/upload/dansi202001.pdf
https://www.syutoken-mosi.co.jp/application/hensachi/upload/josi202001.pdf
「四谷大塚」と「首都圏模試センター」の 2つの偏差値を掲載してみました。いずれも 80偏差値(100人のうち 80人は合格できる偏差値)です。
数値自体に違いはありますが、非常に高い数値です。
中学入試の偏差値は小学生全体の 20%の受験生の中の偏差値
この偏差値を見るときに気をつけないといけないのは、中学受験をするのは小学生全体の 20%程度だということです。
スクールポット 中学受験版 2019年首都圏中学入試概況
https://www.schoolnetwork.jp/jhs/maniax/2019-03/index.php
上記の記事では首都圏(1都 5件)の中学入試の概況として、受験生の割合は 18%程度という試算になっていますが、都内はもう少し高いと思われます。
ですが、それでも受験者は公立小学校に通う児童のうち 20%程度です。
この都立中学の偏差値は、中学受験をする 20%ほどの小学生の中での偏差値です。
公立中学に通うほぼ全員が受験をする高校受験や、公立も私立も含めた高校生の 55%ほどが進学する大学受験の偏差値とは母集団が全く異なるのです。
小学生の中で、20%ほどのある一定の勉強する意志がある集団の中での偏差値で、小石川中等の偏差値 66(四谷大塚)というのは驚異的です。
私立中学と都立中学とでは、試験問題の出題範囲、出題傾向が全く違いますので、一概に比べられるものではありませんが、小石川中等よりも上位の私立中学は、最難関校と言われる数校しかありません。
都立中学の中では一番入りやすいと言われる富士中学であっても偏差値は 57(四谷大塚。男子)で、私立中学と比べても立派に難関校クラスになります。
試験問題に向く、向かないはあるとは思いますが、都立中学はどの学校を受験するにしても簡単ではありません。
そういった意味では、高校受験は、これらの小学校から勉強をしてきたトップ層が抜けた生徒が母集団であり、その中で中学校で伸びてきた生徒が競う受験とも言えるのではないでしょうか。
ちなみに、都内の公立小学校を卒業し、都内の公立中学校に通う人数とその割合は以下のようになっています。
計 88,781人 70,581人(79.50%)
男 45,791人 36,825人(80.42%)
女 42,990人 33,756人(78.52%)
公立中学の中には都立中学、国立中学が含まれますので、その人数は省いています。
私立中学のレベルは遥かに上から随分下までありますので、私立中学に入学した生徒が全員優秀というわけではないでしょうが、トップの私立に通う同学年での上位 10%程度は高校受験には参加しません。
そんな状況なのが中学受験であり、中学受験の偏差値は、高校受験の偏差値より 5~10程度高いと言われています。
つまり、小石川中等は 70~75程度と言うことにもなり、都立高校のトップの日比谷高校や西高校と同等であり、大学受験にたとえるならば早慶レベルであり、東大を狙えるレベルと言うことになるわけです。
ちなみに、下記の資料より、公立小学校を卒業した児童のうち、私立中学校に進学した生徒は約 18%だということが分かります。
平成30年度公立学校統計調査報告書【公立学校卒業者(平成29年度)の進路状況調査編】
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/administration/statistics_and_research/career_report/report2018.html
2021年、2022年で都立高校附属中学は中等教育学校に。2022年に立川国際中等は附属小学校を設立
都立の中高一貫校の増設は 2011年以降行われていません。
ですが、「高校附属中学」の一貫校の形態を取る都立高校においては、高校からの募集を取りやめると発表がありました。
2021年に富士中学、武蔵中学が、2022年に大泉中学、両国中学が高校の募集を停止します。(白鷗は時期は未定としながらも高校募集の停止を発表しています。)
2020年3月の段階では明確な発表はないものの、中等教育学校の形態に変更され、中学の募集人数が増えるものと思われます。
また、立川国際中等教育学校は、2022年に附属小学校が設立され 80人の枠で募集をすることになっています。
そして、附属小学校からの内部進学が可能となることから、中学校からの入学の枠が 80名に減ることになります。
そのため、2021年、2022年には各校の偏差値に影響を与えることは必至です。
枠が増えるために受験倍率が下がるのか、受験倍率が下がることを見越して受験生が増えるのか、制度改編を嫌って該当校の受験生が減るのか...
果たしてどうなるのでしょうか?
都立の併設型中高一貫校5校が2022年までに高校募集停止へ!
https://www.syutoken-mosi.co.jp/blog/entry/entry001601.php
東京都立立川国際中等教育学校 附属小学校
http://www.tachikawachuto-e.metro.tokyo.jp/site/zen/page_0000000_00296.html
都立中学の募集定員数がどれだけ小さいのか
そもそもなぜ都立中学の偏差値が高いのか?
それは募集人数の少なさにも要因を見て取れます。
募集人員が少なくても教育内容が悪く、卒業生の実績が悪ければ受験生は集まらないわけですが、都立中学は
・高い実績(大学入試の実績)を上げ始めた
・都立のため基本的な授業料はかからない
・中高一貫校のため高校入試がない
(高校受験のための塾の費用がかからない)
という状況となっていますので、人気が上がらないわけがありません。
そのため、人気が出て受験が難化し、よりレベルが高い生徒が集まり、より高い実績につながる、という学校側から見ると好循環になってきています。
そして、そもそもの募集枠が小さいために、競争率が急激に上がってきているわけです。
(受験生から見ると激化の一途をたどっている、ということになります。)
さて、都立中学の募集枠がどれくらい小さいのか、確認をしてみます。
特別枠、帰国子女枠、外国人枠、千代田区住民枠など特殊な枠の設定がある学校もありますが、それらを考慮せずに全募集人数を見ると都立中学 11校全体で 1,560人となります。(160人募集が 6校、120人募集が 5校。)
また、2018年のデータですが、公立小学校を卒業した小学生の人数は 90,297人。
そのため、都立中学の募集枠は 1,560人ですので、枠の割合はわずか 1.73%。
実に、58人に 1枠しかないのです。
また、これはあくまでも都内の公立小学校を卒業した小学生を対象にした数値なのですが、実際に公立小学校を卒業して都立中学に進学した人数は 1,382人になるのです。
その割合は卒業生の人数に対して 1.53%。
65人に 1人という割合ですので、率から言うと一学年での児童数が 65人の小学校の場合は学校から 1人しか合格者が出ない、ということになるわけです。
都心では一学年が 130人の小学校となるとかなり大きな学校になりますが、130人いたとしても合格者は 2人というくらいの割合なのです。
私立中学に通う生徒もいますので、学校のトップである必要はないのですが、5番以内くらいに入っている層がライバル...というのが実情なのです。
※都立中学の募集枠 1,560人と実際に入学した人数 1,382人に差がある理由
先に示した資料の小学校の卒業者数は都内の公立小学校を卒業した人数ですので、私立や都外(海外を含む)の小学校を卒業した人数は含まれていません。
つまり、都立中学に入学した生徒のうち、私立、都外の小学校を卒業した生徒が 178人(11.4%)いた事になります。(帰国子女、外国人の枠を持つ学校もあります。)
都立中学の受験倍率
続いて、受験倍率です。
2020年2月の都立中学の受験倍率は以下のようになります。
2020年 都立中学 男女合計受験倍率
7.09倍 両国中学
6.89倍 白鷗中学
6.76倍 九段中等(B区分)
5.98倍 桜修館中等
5.93倍 大泉中学
5.89倍 三鷹中等
5.74倍 ※都立中学全体
5.69倍 小石川中等
5.39倍 南多摩中等
5.23倍 富士中学
5.04倍 立川国際中等
4.27倍 武蔵中学
2.40倍 九段中等(A区分)
2020年 都立中学 男子受験倍率
6.63倍 両国中学
5.80倍 九段中等(B区分)
5.70倍 三鷹中等
5.70倍 白鷗中学
5.43倍 小石川中等
5.17倍 富士中学
5.15倍 ※都立中学全体
5.10倍 大泉中学
5.00倍 南多摩中等
4.86倍 桜修館中等
4.00倍 武蔵中学
3.88倍 立川国際中等
2.43倍 九段中等(A区分)
2020年 都立中学 女子受験倍率
7.79倍 白鷗中学
7.73倍 九段中等(B区分)
7.55倍 両国中学
7.10倍 桜修館中等
6.75倍 大泉中学
6.29倍 ※都立中学全体
6.20倍 立川国際中等
6.08倍 三鷹中等
5.82倍 小石川中等
5.79倍 南多摩中等
5.30倍 富士中学
4.53倍 武蔵中学
2.38倍 九段中等(A区分)
都立中学全体でも受験倍率は 5.74倍です。
つまり、5.74人のうち 1人しか合格しません。合格率としては 17.42%。
学校別で倍率が高いのは両国中学の 7.09倍ですが、この場合の合格率は 14.10%。
学校別、男女別では
両国中学・男子の 6.63倍の合格率は 15.08%。
白鷗中学・女子の 7.79倍の合格率は 12.84%。
学校ごとに合格率は少しずつ違いますが、いずれの学校でも合格率は 10%台で
10人の受験者のうち 2人以下の合格者しかいないのです。
10人の受験生のうち、8~9人は不合格となるのです。
その 10人のうちの 1人、もしくは、2人に入れるようにがんばれますか?
ちなみに、都立中学の受験率は 95.6%ですので、実際に受験をした人数での受験倍率は 5.47倍です。やや下がるとはいえ誤差範囲内とも言えます。
「受験率」は、願書を提出した受験生のうち、実際に試験を受けた受験生の割合です。
2月1日、2日の私立の試験で本命校の合格を勝ち取った受験生は、都立中学を受験しないのでしょう。(体調不良などで不本意ながら受験できなかった受験生もいるとは思いますが。)
その受験をしなかった割合が 4.4%(347人、2020年)いた、ということです。
東京都教育委員会 都立中高一貫教育校
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/secondary_school/
都立中学受験は一発勝負
先の合格倍率に関連しますが、私立中学の入試の合格倍率は以下のようになっています。
中学受験スタディ 東京都にある中学校の入試倍率(試験別)ランキング
https://www.study1.jp/kanto/special/rank_exam/rank_exam.html?p=tokyo
受験倍率が高い学校として上位にランキングしているのは、募集人数が少ないためです。
私立中学の場合は、1回の試験のみですべての生徒を決めるのではなく、様々な受験方法を提供し、その中から合格者を決定していきます。
試験の教科を選ぶことができたり、小論文、面接、推薦など様々な受験方法がありますので、受験方法によって大きく倍率が異なります。
また、複数の受験方法を選択することもできるため、同一中学校でも複数回の受験、合格のチャンスがある場合もあります。
それに対して、都立中学受験は、一発勝負です。
まず、都立中学は 11校ありますが、すべて同一日時にテストが実施されますので、受験できるのは 1校のみです。
また、一部特別枠がある都立中学もありますが、基本的には全員が同じ試験を受け、その 1回の試験のみですべての合否を判定します。
たまたまやったことがあるような問題が出たり、全体的に難しくて合格点が低かったり、全体的に簡単で合格点が高かったり、一つの問題に引っかかってしまって時間を費やしてしまったり、たまたまその日に体調を崩したり、緊張して集中できなかったり。
日頃のテストでいい成績を取っていても小学生ですから。
その 1回の試験だけで数年間の勉強の成果をすべて出さなくちゃいけないとするのは半端ないプレッシャーなのではないかと思います。
せめて、私立中学を併願して、都立中学がダメなら私立中学に行く、という方法を提示してあげてください。
子どもが感じるプレッシャーは少しは軽減するはずです。
中学受験の塾の授業料は高校受験の塾の授業料よりも高い!
中学受験で悩ましい問題の一つとしては塾の授業料の問題があります。
ハッキリ言って
中学受験の塾の授業料は高校受験の塾の授業料よりも高いです。
理由は、中学受験をする受験者層は、年間 100万円ほどになる私立中学校の授業料を支払える層ですので、塾の学費が高くても支払うためです。
対して、高校受験をする層は私立中学にはいかず、公立中学校に通っている層ですので、塾の授業料が高いと通ってもらえない可能性があるのです。
また、先にも上げましたが、中学を受験する割合は 20%程ですが、高校受験をするのは公立中学に通っている生徒のほぼ 100%です。
私立中学(中高一貫校)に入学した生徒が 20%程いたとしても、中学生全体の 80%は高校受験をするのです。
つまり、高校受験のマーケットは、中学受験の 4倍もあるのです。
塾の授業料を安くしても人数を集めることができればいいのです。
そして、マーケットが大きいということは、競合他社も多いため、必然的に値下げ圧力がかかるのです。
そのような状況から、そもそも中学受験は相当な費用がかかる、ということを理解しておきましょう。
もっとも、塾の授業料については、安ければいいのか、という別の問題はありますが。
enaという学習塾の場合は
塾の学費について、具体的に比較をしてみましょう。
小学生 6年の都立コースは、月額授業料が 36,000円+模試教材費が 66,000円+55,000円となっています。
合計で、517,000円。
中学生 3年の 5科コースは、月額授業料が 27,000円+模試教材費が 40,000円+48,000円となっています。
合計で、385,000円。
中学生の方(高校受験の方)が 132,000円(小学校比で 25.5%)もお安くなっているのです。
ena小学部2020年度本科コース案内
https://www.ena.co.jp/primary/course/
ena中学部2020年度本科コース案内
https://www.ena.co.jp/junior/course/
我が家の小学校 6年生のときの塾の費用を元に中学受験を考える
我が家が小学校 6年生のときに塾に払った授業料は以下のとおりとなります。
(途中で消費税率が変わったため少し誤差があります。)
月額授業料 37,400円×12ヶ月
教材費・前期 71,280円
教材費・後期 59,400円
過去問問題集 4,860円
春期講習・10日間 67,500円
夏期講習・37日間 301,320円(合宿含む)
冬期講習・12日間 164,450円
直前特訓 42,240円
日曜特訓・前期 84,240円(12回)
日曜特訓・後期 135,000円(15回)
合計:1,379,090円(税込)
「月額授業料」および「教材費」は、先に上げた enaのサイトに掲載してある基本料金とも言える部分の授業料です。(enaのサイトに掲載されている金額は税抜き価格です。)
「月額授業料」に含まれるのは、週 5回の授業です。
「教材費」は「模試教材費」というもので、「パースペクティブ」というオリジナルのテキストと、月 1回の「学力判定テスト」、年 5回の「都立中合判テスト」の受験料が含まれます。
このほか、学校が長期休暇に入るときには春期、夏期、冬期の講習会に行き、日曜日には志望校別の特訓を行う日曜特訓に行きました。
親の懐を直撃する額です。
我が家は都立中学一本で臨みましたのでこの額ですが、私立を併願、もしくは、私立を中心に都立を併願する場合は、私立受験用の授業も追加する必要がありますし、場合によっては、複数の塾を掛け持ちしたり、塾に通いつつ家庭教師を付けたり、通信教育の講座を受けていたりすることにもなり、もっと増える場合もあるのではないか、と思います。
ちなみに、enaの Webサイトに掲載されている授業料、教材費の合計は、2020年の費用で年間 608,300円(税込)ですので、夏期講習なども含めた実際にかかる費用はその 2.3倍にもなるわけです。
小学校 4年生のときからの中学受験にかかった費用を集計
また、我が家では小学校 4年の頃から塾に通っていました。
4年、5年の間の支払額の明細は明確ではないのですが、合計で 65万円の支払いを行っています。
先の enaの小学部の標準的な授業料(2020年版)は以下となります。
4年生:授業料 14,000円✕12ヶ月+テキスト等 36,000+30,000円
合計:234,000円(税込 257,400円)
5年生:授業料 28,000円✕12ヶ月+テキスト等 54,000+45,000円
合計:435,000円(税込 478,500円)
小学校 4年の頃は週 1日だけでしたので標準の授業料よりやや低く、小学校 5年では春期講習、夏期講習などがありましたので、ややプラスになっていますが、トータルでは標準額とほぼ変わらない程度でした。
そして、4年~6年までの 3年間総額で 200万円をちょっと超える額を支払っています。
中学、高校、大学のルートは多彩で費用も多様
中学受験に向かう 3年間の塾の学費で見ると、私立中学校の 3年間の授業料を上回っている場合もあるのではないでしょうか。
金額だけを見ると、中学受験は行わず、中学に入ってから全力で高校受験に向かうほうが合理的です。
もしくは、中学受験のために通う塾の費用を最小限に抑え、それで合格できるレベルの私立の中高一貫校に通う、という方法も大いに有り得ると感じます。
例えば、塾の費用を 50万円に抑えて、残りの 150万円を私立中学の授業料とする、という感じです。
中学受験にお金をかけるより、設備が整った私立の中学校で受ける 3年間の授業の方が今後の人生を生きていく上では力になると思いますし、そこにお金をかけるという選択肢は有力な選択肢だと感じます。
大学受験に向けても、塾に行かなくてもいいくらい学校がしっかり補習授業をしてくれるのであれば、その負担も少なくて済むでしょう。
受験を経て都立中高一貫校に通う
受験を経て私立中高一貫校に通う
受験をそこそこに私立中高一貫校に通う
受験を失敗して地元の公立中学に通い高校受験をする
受験を回避して地元の公立中学に通い高校受験をする
いろいろな選択肢があるわけなので、それぞれにかかる費用の試算や子どもの成績、性格、成長度合いを考えて、どこで勝負するべきかをしっかり考えてみるほうがいいように感じます。
この中で、「都立中学の受験を失敗して地元の公立中学に通い高校受験をする」となる場合、都立中学を受験するくらいですので、高校受験でもまたトップクラスの学校を目指すことになるのではないかと思います。
その場合はまた、中学 3年生のときは夏期講習や合宿講習などの参加が増え、中堅クラスを目指す高校受験より塾の授業料の負担は高くなるであろうと予想できます。
親の経済的な負担、子どもの受験に向かう精神的な負担を考えると、人生の中での受験をする回数は少ない方がいいように感じます。
また、大学進学まで考慮するなら
大学附属中高に通い大学受験を回避する
という選択肢も重要な選択肢だと思います。
私立の大学附属中高の場合は、中学、高校の間に学校に払う授業料はそこそこの負担額にはなりますが、大学受験の塾に通う費用は必要なくなりますので、大学卒業までのトータルの学費は公立中学に通って塾に通うよりも抑えられる可能性すらあるのではないでしょうか。
私は、娘の中学受験が終わるまでそれらの選択肢を考えすらしなかったため、強い後悔をしています...
千代田区に引っ越しをするという飛び道具
都立中学のどこでもいい、どこかに...と願うのであれば、親がしてあげられる最大の支援としては、千代田区に引っ越すことではないか、とも思います。
そして、千代田区立九段中等教育学校を受験するのです。
九段中等教育学校は、千代田区に住んでいる生徒に対してより高い公教育を提供することを(質の高い教育を受けたいと願って引っ越しをしてくる方を増やすことを)目的の 1つとして設立された学校ですので、千代田区民に対しては入学しやすい制度設計になっています。
具体的には、募集人数 160人(男女各 80人)のうち、その半分の 80人を千代田区在住の受験生の枠として確保しています。
その結果、2020年2月の受験では、千代田区民枠(A区分)の受験倍率は 2.40倍(男:2.43倍、女:2.38倍)、区外枠(B区分) 6.76倍(男:5.80倍、女:7.73倍)と大きく倍率が違ってきています。
そして、倍率が下がれば必然的に合格に必要となる学力も下がってきますので、合格しやすくなるわけです。
(A区分の偏差値が詳しく出ている資料は多くありませんが、B区分より 10ポイント程低い偏差値のようです。)
なぜ、A区分(千代田区民枠)の倍率が低くなるのか、についてはそもそも千代田区に住んでいる小学生が少ないためです。
具体的には、2018年 3月に卒業した小学生のデータですが、千代田区の小学校を卒業した小学生はわずか 375人しかいないのです。
その 375人に対して 80人の入学枠が設定されているのですので、非常に魅力的な制度なのです。(小学生の卒業人数のうちの 21.3%の人数が入学できる枠があります。それに対して、九段中等に願書を出した人数は 151人です。)
そして、九段中等に入学したのは 67人。
(私立中学に進学したのは 148人です。)
ちなみに、九段中等以外の都立中学に入学したのは 1人となっていますので、千代田区に住んでいる都立中学受験生はほぼ九段中等の受験生ということになります。
ただ、いくら入学がしやすいとはいえ九段中等の授業のレベルは低いわけではないため、毎年一定数の授業についていけない退学者を出している事実があります。
それは A区分で入学した生徒に限った話ではなく、九段中等以外の学校でもある話ではありますが。
平成30年度公立学校統計調査報告書【公立学校卒業者(平成29年度)の進路状況調査編】
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/administration/statistics_and_research/career_report/report2018.html
都立中学は狭き門。私立を併願して可能性を広げよう
この記事では何がいいたいか、といいますと、都立中学への合格は狭き門です。
ダメだと思ったら中学受験を諦めることも肝要です。
一番最悪なのは
都立中学一本で猛進し、塾にもガッツリ通い、ガッツリ支払いをし、そして不合格になって地元の公立中学校に通う。
そして、再び、公立高校を目指してガッツリ塾に通うことになる...
というルートです。
先にも書きましたが、中学受験の塾の授業料は割高です。
高校受験をしない前提であれば親も多少の無理をできるでしょうけども、不合格になって高校受験に向かうとなると親の懐は疲弊します。
もちろん、子どもの方も中学受験が終了してまたすぐに高校受験に向けての勉強が始まると思うと相当なストレスが貯まります。
場合によっては、公立高校の受験でも失敗し、私立高校に通うことになってしまったら...と思うと親の懐は壊滅状態です。
そしてそこから私立の大学に行こうものなら...
なので、安易に「都立中学がダメなら地元の公立中学校に行けばいいよね」なんて考えて都立中学の受験に突っ走らないほうがいいと思います。
実際に、我が家が安易に都立中学受験に突っ走ってしまったためにそう思うのです。
詳しくは「都立中学受験生の親に伝えたい!私立併願もしっかり検討して欲しい!」をご覧ください。
中学受験は結果につなげてください
たとえ中学受験で不本意な結果となったとしても
努力をした事実は今後に生きてくる
なんてことを言いますが、都立中学の受験を頑張ったご家庭ほどキレイごとに感じるのではないでしょうか。
中学受験をするなら、私立中学も含めて検討して、確実に中高一貫校に入れてあげてほしいと思います。
万一私立中学に通うことになっても、大学受験に向けて学校で手厚いサポートを受けられるなら、中学、高校で通う塾の費用も抑えることができる場合もあると思われ、トータルで見たら子どもにかかる教育費は抑えられるはずです。
子どもも、高校受験をしないでいい中学校時代を伸び伸びと過ごすことができますので、かけがえのない時間を過ごすことができるでしょう。
何があっても私立中学に通わせるのは無理、と言うなら、中学受験は回避して高校受験に全力をかけることをオススメします。
ちなみに、私立高校には授業料無償化の制度がありますので、私立高校に通っても私立中学校に通うほどの負担はありません。
私立は、高校より中学のほうが圧倒的に経済的な負担は重いのです。
2020年4月から変わる私立高校無償化制度。国と東京都の制度の違いは?
https://financial-field.com/living/2019/10/16/entry-59982
高校授業料無償化.net
https://高校授業料無償化.net/
私立中学の情報収集もしっかりと
最後になりますが、私立中学を受験する際はしっかりと情報収集をすることをオススメします。
例えば、
私立の場合は、授業料の他にも補助教材費や実験の費用が高かったり、制服が高かったり、修学旅行の行き先が豪華であったり、寄付金を求められたり。
他には、私立中学の中には生徒数が非常に少ない学校もあります。
「少人数制で手厚いサポート」なんていうと聞こえはいいですが、1学年 20人くらいしか生徒がいない学校もあります。
部活や文化祭、体育祭など中学生らしい学生生活をさせてあげたいならある程度の人数がいる学校を選ぶ必要があるでしょう。
また、私立中学の中には、特待生枠を設けている学校もあります。
入学金の免除、中学校 1年間、3年間、高校までの 6年間の授業料免除など優秀な生徒に対して手厚い免除がある学校もありますので、学費を抑えるために特待生枠を狙ってみるのもいいかもしれません。
いろいろな条件を見比べて、学校説明会や文化祭などを見に行ってみるといいと思います。
また、どの中学に通うにしても、最終的には子どもが「勉強しよう!」と思える出会いがあることが一番でしょう。
いい友達に出会って、いい先生に出会って、ぐんと成長してくれることを願いつつ。
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