都立中学高校受験に強い学習塾enaのすごいビジネスモデル&塾生の都立中学の合格率
2020/03/28
都立中学受験に強い学習塾ena
学習塾enaの都立中学の実績
都立中学の受験では、enaという学習塾が圧倒的なポジションを獲得しています。
具体的には、下記のように、都立中学の合格者の半数が enaに在籍していた生徒ということになります。(毎年同程度の占有率を誇っています。)
enaオフィシャルサイト
https://www.ena.co.jp/
ena合格実績
https://www.ena.co.jp/success/
なぜこの圧倒的な存在感を持ち得るに至ったのか。
それは、
まだ他社が都立中学受験に参入していないときに、全社で都立中学入試のための塾に全面改装し、作文の力を鍛える仕組みなど徹底的に都立入試対策ができる教育方法を確立できたから
のようです。(下記の東洋経済の記事参照。)
enaはなぜ「都立中高一貫校」に強いのか
https://toyokeizai.net/articles/-/63270
都立中学受験を武器に小中 6年間の塾生を確保するビジネスモデル
都立中学受験と言えば enaと言われるくらい都立受験に対する enaの存在感は大きいものがあります。
そして、enaはその都立中学受験を武器に、小学校 4年頃から高校受験の中学校 3年生までの 6年間 enaに通わせるためのスキームを用意しています。
私立中学を目指す塾とは全く違うその戦略、ビジネスモデルをご紹介します。
都立中学受験の結果が出る前から新中学生向けの授業が始まる
2020年 2月 3日(月)。
都立中学の受験が行われます。
2020年 2月 5日(水)。
新中学生を対象とした新たな enaの授業が始まります。
都立中学の合格発表は受験日の 1週間後の 2月 9日(日)ですので、新中学生を対象にした授業が開始されるタイミングでは都立中学の受験結果は分かっていないのです。
自分が都立中学に行けるのか、それがダメで地元の公立中学校に通うのか、それがわからない段階から新中学生向けの授業が始まるのです。
もちろん、この新中学生向けの授業の申し込みは受験日のはるか前、前年の 12月中旬頃に行うのです。
また、「家庭教師のトライ」が「2月に申し込みをすれば 2ヶ月間授業料無料!」とテレビ CMを流していますが、enaの場合は「中学校 1年生の 1年間ずっと授業料無料!」なのです!!
そんなキャッチーなフレーズと共に新中学生の塾の授業の募集をするのです。
新中学生の募集を可能にする都立中学受験というシステム
しかし、そんな新中学生の募集を可能にする仕組みがあるのです!
それは
・都立中学の合格率は 15%前後
・都立中学単願者が多い
という点なのです。
そのため、中学受験のために enaに通っている生徒のうち 6割ほど(※)は地元の中学校に通うことになるため、引き続き高校受験に向けてどこかしらの塾に通うことになるのです。
そこに向けて、enaは、「都立中学に通うにしても、地元の公立中学に通うにしても、中学校に向けて早めにスタートを切っておけば中学校の授業にもスムーズに馴染めますよ!」とささやくのです。
「しかも、中学 1年生の間は授業料無料!」と。
そう言われると、受験生の親は抵抗できずに、新中学生の塾の申し込みもするわけです。
(いや、我が家もそうでしたが、中学受験までの授業の申込みの習慣で、何も考えずに申し込んでいるようにも感じます。)
私立中学受験の塾は受験終了と同時に塾を卒業
現在の私立中学はほぼ中高一貫校になっていますので、私立中学に入った生徒はほぼ高校受験をしません。
また、私立中学を受験する層は、地元の公立中学校に行く気がない層ですので、複数の私立中学を併願し、ほとんどの場合が私立中学の入学を目指します。
そうすると、私立中学受験を中心としている塾の生徒は、中学受験が終了すると、そのまま塾を卒業することになるのです。
「私立中学に通いつつ、引き続き中学でも塾に来ませんか?」
というお誘いは全く刺さらないのです。
ここが、私立中学をメインにする学習塾と都立中学をメインとする enaの大きな違いなのです。
都立中学受験の enaは受験が終わっても即卒業とはならない
私立中学受験をメインに扱っている塾は、新たに高校受験をする生徒を募集する必要があるのですが、enaは、都立中学を受験するレベルのある一定の水準の学力、学習意欲を持っている高校受験をする生徒を青田買いすることができるのです。
なんせ、都立中学受験者の 8割以上の受験生が不合格となるわけですから、親の方も中学受験の合格を祈りつつも、中学校での塾のことも考えないわけにはいかないのです。
そこに、「中学校 1年間は授業料無料ですよ!」と言われると断る理由がないのです。
現実として、娘が通っていた校舎の生徒は新中学生の授業に全員申し込みをしていました。1人も欠けることなく。
ちなみに、都立中学に合格した生徒も小学校の卒業までの 2ヶ月(2月~ 3月)は新中学生向けの授業に通うことが多いようです。
また、4月以降も塾生として残る場合もあるようですが、都立中学と地元の公立中学では授業が進むスピードが違うため、長くても最初の中間テストくらいで卒業していくことが多いようです。
高校受験の本科コースの塾生になる生徒を青田買い
また、もともと enaの生徒だったわけですので、受験後のフォローはするとしても、1年間の授業料を無料にするにしても、全く新しい生徒を募集するよりは、遥かに低いコストで高校受験生を募ることができるのです。
都立中学を第一志望として頑張ってきたけど不本意な結果となった生徒であれば、高校受験ではリベンジしたい!と思う生徒も多いと思いますので、その点でも学力も高く、モチベーションも高い生徒を青田買いできるメリットは計り知れません。
都立中学は 11校ありますが、一番偏差値的に低い学校でも 60前後あります。
これは、高校受験の偏差値に換算すると 65~70程度とも言われる偏差値ですので、この辺りを受験した生徒を低コストで高校受験の塾生として迎えることができるわけです。
小学校の頃から通っている塾。
中学校 1年生のときも通った塾。
そんな状態で、中学校 2年生になり、授業料が必要になったとしても塾を変えようとする塾生がどれだけいるでしょうか?
それを考えると、中学 1年生の 1年間の授業料無料は非常に強力なツールなんだな、ということを改めて実感します。
学習塾 enaの売上額に見るランキング
都立中学受験の塾として大きな存在感を示す enaですが、塾の規模としては中規模の塾と言わざるを得ません。
学習塾 売上ランキング
https://jukunavi.com/guide/ranking/
学習塾の売上規模からすると、上記のようなランキングとなってしまいます。
売上額のランキンからすると中規模となりますすが、2020年の都立中学の合格実績は、821名の合格者を輩出し、合格者の中に占める ena在籍者の割合は 51.3%にも達する圧倒的な実績を上げています。
これによって「都立中学受検に強い ena」という評判ができ、都立中学に行きたいならば enaに通う、というくらいの存在感があります。
他社との違いを明確にする。
その差別化戦略が見事に当たったと言える例ではないでしょうか。
ちなみに、上記のランキングは、全国展開をしている塾も含めてのランキングになっていますので、都立中学受験を武器に、東京都内を中心に展開している東京ローカルの学習塾としては東京都以外では存在感を発揮しようがなく、痛し痒しな差別化戦略とも言えるかもしれません。
ただ、全国で公立中高一貫校を設立する動きが出てきていますので、他県の公立一貫校に対する仕組みの構築ができれば、東京ローカルの塾から大きく発展できる可能性があります。
enaは中規模の塾とはいいつつも、母体の「株式会社学究社」は東証一部上場の企業ではあります。
株式会社学究社
https://www2.tse.or.jp/tseHpFront/JJK010030Action.do;jsessionid=00BF7BD2762880050A20AACBF91B52663
なぜ、enaが都立中学で圧倒的な実績を上げられるのか
なぜ、enaが都立中学受験で圧倒的な実績を挙げられるのか?
enaはなぜ「都立中高一貫校」に強いのか
https://toyokeizai.net/articles/-/63270
公立中高一貫校に強い塾は何を教えているか
https://toyokeizai.net/articles/-/197958
オリジナル教材で難関都立中高に合格!enaの強さの秘訣とは?
https://studystudio.jp/contents/archives/306
上記の記事なども参考になりますが、都立中学の受験の仕組みが、私立中学とは全く違うため、小石川中等を滑り止めに受けるような受験生は別として、私立中学の上位校を目指す受験生であっても、都立中学の試験問題の対策なしでは合格は難しい現実があります。
enaは、その都立中学の試験の仕組み(試験問題と採点の傾向)を徹底的に分析し、その対応をとることで合格実績を上げていることになります。
都立中学の試験問題と採点基準を徹底的に分析して作成したオリジナルテキスト「パースペクティブ」を使っての授業と、1年間で 100本も作文を書くとも言われる作文を書く力を鍛える授業が、しっかりと効果を現しているのだろうと思われます。
今後、都立中学がより人気になり、より難しくなり、私立との併願が難しくなればなるほど enaにとっては追い風となると思われます。
enaの生徒の都立中学合格率は全体の合格率の 1.62倍!!
2020年の都立中学の合格者数は 821人とアナウンスされています。
これは合格者の人数なので、enaの塾生が増えていけば行くほど合格者数は増えていくものと思われます。
極端な話、都立中学の受験生全員を enaの塾生にできれば、占有率 100%になるわけですから。
実際に、毎年新しい教室が増えていますので、ある意味では合格者数が増えていくのも当然とも言えます。
ならば、enaの塾生の合格率がどれほどのものなのか?
それを知りたいと思いました。
enaの塾生の合格率が、全受験者とあまり変わらないなら、enaに通うことに疑問が出てくるわけですが、明らかに合格率に差があるならば、enaの授業には効果があると言えるのではないか、と考えたのです。
しかし、ena(株式会社学究社)では塾の生徒数を公表していないのです。
決算資料にも出てこないのです。
2019年 3月期決算説明会 資料より
http://www.gakkyusha.com/wp-content/uploads/2019/05/0dd46d7e6e366681694b3e3c03f5292e1.pdf
そこで、手元にある資料の知り得る数字で、enaの塾生の合格率を推測してみることにしました。
都立中学の受験生全体での合格率
まずは、都立中学の受験生全体での合格率です。
2020年の都立中学の募集人数は、一般入試(特別枠を除いた入試)の願書提出者数は、都立 10校で 7,897人、九段中等で 733人の合計 8,630人。
対して、一般入試の募集人数は 1,535人。
そのため、合格率は 17.79%になります。
受験倍率で言うと 5.62倍です。
enaの塾生の合格率はこれを上回れるのでしょうか?
参考資料 東京都教育委員会 都立中高一貫教育校
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/admission/secondary_school/
enaの塾生の人数の推測
まず、塾生の人数を推測します。
推測の資料は、娘が定期的に受けていたテストの成績表です。
このテストの成績表には、テストの点数と共に順位が表示されています。
「何人中何番」という形式で。
つまり「何人中」の部分が enaの塾生の人数にほど近い数値であろうと推測できるのです。
enaが定期的に行っているテストは、大きく分けて 2つあります。
毎月行われている「学力判定テスト」と「都立中合判」です。
「学力判定テスト」は授業の理解度を確認するためのテストで、夏休みや冬休み期間を除いて月 1回塾生を対象に実施されます。塾の本科生しか受験しません。
対して「都立中合判」は、志望校を書いて合格の可能性を判定するテストで、年 4回、塾生以外の一般の小学生も受験することができるテストです。
そのため、本科コースの人数としては「学力判定テスト」が近しいものと思われますが、「日曜特訓(※後述)」など特定の講習のみを受講している、enaの本科生ではないものの enaの合格者数に含まれている受験生も加えた人数としては「都立中合判」の受験者数の方が近しいのではないか、と考えています。
enaの受講生の合格率は約 30%!!
では、人数は何人なのか。
「学力判定テスト」の受験者数は年間を通して最大でも 2,800人を超えていません。
(人数の最大は 11月で、その後受験を止めた生徒も出てきたためか、それ以降徐々に減っています。2019年2月~2020年01月の生徒数。)
また、「都立中合判」は 10月の受験者数が最大で 2,800人を少し超えています。
そのため、ここでは「都立中合判」の 10月の受験者数を元に試算をしてみます。
2,844人の enaの受講生が受験をし、821名の合格者を輩出した。
合格率は 28.87%!
これは、都立中学全受験者の合格率 17.79%の 1.62倍です!
全受験者の 3分の 1(3.03分の 1)の enaの受講者で全体の半分を超える合格者を輩出した、ということになるのです。
全受験者ですので、塾に通っていない受験者もいるとは思いますが、他の塾に通っている受験者も含めた合格率よりも 1.62倍も合格率が高いのです。
これは驚異的な数字なのではないでしょうか!?
ただ、この数字が意味するところは、enaの受講生であっても、約 7割の受験生は都立中学に合格できていないということです。
都立中学を目指すならば、enaでも上位 3割に入る必要があるのです。
そして、約 7割の生徒は不合格になるわけですので、先に書いたようにこの 7割の塾生は青田買いの対象になり得るのです。
私立中学に進む塾生もいますので、実際には 6割程度なのではないかと思いますが。(それでも、6割も生徒が残れば相当な安定化に繋がります。)
合格率に意味があるのか、と言う議論
まぁ、合格率は当てになるようで当てにならない数字でもあります。
enaの場合は都立中学合格を目指す塾ですので、受講生はほぼ間違いなく都立中学を受験します。
enaに入塾するために入塾試験などはありませんので、希望者全員が都立中学を受験するわけです。
これが塾生の人数の母数となるわけです。
この母数の中にはそもそも合格にはほど遠い受講生もいることでしょう。
対して、私立を中心に受験する塾の場合は、私立が中心なわけなので、都立中学の合格が難しいと判断した(判断された)生徒は、私立に集中するため都立中学の受験をあきらめる(あきらめさせられる)こともあるでしょう。
そんなこんなで、都立中学の合格率だけを見て、enaよりも高い合格率!と言い出す他の学習塾が出てくる可能性はありますが、その合格率の母数となる受験生がどのような属性の受験生なのか、と言う確認が必要となるでしょう。
そう考えると、enaの合格者数だけをアナウンスすることにはそれなりの意味があるのであろうとも思われます。
ちなみに、先にも書きましたが、都立中学の受験生のマーケットは 9,000人弱です。
対して、enaの受講生は 3,000人弱で、ほぼ 3分の 1を占めています。
合格実績で圧倒的な存在感があるだけでなく、受験者数としても圧倒的な存在感があると言えます。
ここまで書いておきながらなんですが、個人的には「合格率」という言葉は好きではありません。
「合格率が 30%」と言われても、「30%の合格」は存在しないからです。
10人のうち 3人は合格するのかも知れませんが、受験生個人からすれば「合格」か「不合格」のどちらかしかないわけですから。
enaの合格者数に含まれている受講生・日曜特訓受講生
2020年の enaの受講生の都立中学合格者数は 821人とアナウンスされています。
この合格者数には
1・enaで10時間以上の授業を受けたもの
2・繰り上げ合格者
を含んでいます。
そのため、
夏期講習会、冬期講習会、直前講習会、日曜特訓(学校別の受験対策講習会)
などだけに通っていた生徒も enaの在籍者としてカウントされています。
また、都立中総定員 1,600名のうち 821名の合格者を出していても、繰り上げ合格者を含んでいるため、過半数の占有率を達成したとは言い切れません。
enaで10時間以上の授業を受けたもの
まず、「enaで10時間以上の授業を受けたもの」についてですが、日頃は私立中学受験の塾に通いつつ、夏期講習、冬期講習だけ enaに通うという選択肢は少ないと思います。
ですが、enaには平日の定例の授業(本科生コース)の他に、「日曜特訓」と呼ばれる、志望校別の受験対策コースがあります。
これは、志望校ごとに決められた校舎に集まり、同じ志望校を目指す生徒たちが志望校に沿った模試を解き、点数を競うと共にその解き方の解説を聞きつつ勉強するというコースです。
これは、本命は私立、ないしは、都立も私立と同等に併願するような受験生にとっては便利に使えるコースだと思います。
日頃は私立中学対策の塾に通い、都立中学の問題に慣れるために、日曜日だけ enaの都立の志望校別対策コースに通う、という方法は普通にありえるのだろうと思います。
そのため、enaの合格実績の数には、この「日曜特訓」だけ受講している受験生が一定数含まれるのではないか、と考えています。
とは言え、合格者に含まれる「enaで10時間以上の授業を受けたもの」が、「10時間ちょっとしか受講していない」という生徒は少ないのではないかと考えています。
理由は、小石川中等を除く都立中学の入学辞退率は、2020年は 5.07%ですので、都立中学を受験する受験生のほとんど(入学を辞退していない約 95%)は、都立を第一志望として受験をしているのだろうと思われます。
そのために、私立が第一志望で、都立も併願するために、日曜日だけ enaに通うというスタイルが合格者の 10%も 20%もあるようには思えないのです。
(都立中学が第一志望ながら本科としては塾に通わず、志望校対策だけ enaの日曜特訓に通う、と言うスタイルはあるのかも知れませんが。)
ただ、小石川中等は入学辞退率が 2020年で 17.83%もありますので、小石川中等を受ける受験者の中には私立が第一志望で、滑り止めに小石川を受けるためにちょっとだけ enaに通って都立入試対策をする、ということはあるのかも知れない、とは思います。
小石川中等を滑り止めに考えるくらいの受験生は、週 1日の対策で対応できるのだろうと思います。
ちなみに、「日曜特訓」の「後期(9月~12月)」は、1回あたり 5時間です。
そのため、後期の日曜特訓だけ受講したとしても 50~70時間ほどの受講時間となりますので、全然 10時間ちょっとという感じではないかと思います。
さらに、前期(2月~7月)から受講していた場合は 100時間ほどの受講時間になりますので、これは十分に enaで都立中学の受験対策を受けた受講生言えるのではないか、と思います。
また、特待生として無料で授業を受けてもらって塾生にカウントする、と言う手法は大学入試の合格実績の水増し手法としてはよくある話ですから、他の塾の合格実績数の条件がどうなっているかも確認しておく必要はあろうかと思います。
繰り上げ合格を含んでいるため過半数を占めていない
「繰り上げ合格を含んでいるため過半数を占めていない」については、単なる算数のお話です。
enaが発表している合格者数には、「繰り上げ合格者」が含まれています。
また、都立中総定員 1,600名には「繰り上げ合格者」を含んでいません。
2020年の都立中学 10校合計の入学辞退者数は 90名いますので、合格者数は定員 + 90名いたことになります。
つまり、定員数が 1,600名というのであれば、合格者数は 1,690名いたことになります。
九段中等は辞退者数を公表していませんので、九段中等の繰り上げ合格者数は不明ですが、最低でも全体の合格者 1,690名に対して enaの合格者は 821名ですので、占有率は 48.58%となり、過半数を割り込む数値となってしまいます。
ただ、48%であっても「過半数!」と言えないだけで驚異的な占有率だとは思います。
ちなみに、都立中学の「総定員数の 1,600名」と言う数値がどこから来るのかがよく分かりません。
都立中学は、九段中等や特別枠等も含めて、中等教育学校 6校が 160名を募集していて、高校附属中学 5校が 120名を募集していますので、1,560名なんじゃないのかなぁ、と思ったりしています。
もっとも、「総定員数が 1,560名」だとしても「繰り上げ合格者が 90名」ですので、占有率は 49.76%となり、過半数にはギリギリ達していないわけなんです...
「中学校 1年生の間の 1年間の授業料無料」でもすべてが無料ではない
「enaの 1年生の 1年間の授業料無料」には若干のカラクリがあります。
・授業料は無料ですがテキストは有料です。
・無料なのは地元の公立中学校に通う場合です。
「enaの 1年生の 1年間の授業料無料」と言っても、テキストは購入する必要がありますので、全くタダで 1年間塾に通えるわけではありません。
ena中学部 2020年度本科コース案内
https://www.ena.co.jp/junior/course/
上記に本科コースの案内がありますが、「月額授業料 6,000円」は無料になりますが、「模試教材費 24,000円(半期分)」は無料になりません。
「模試教材費」を 6ヶ月で 24,000円とすると 1ヶ月 4,000円ですので、1ヶ月合計 10,000円が 4,000円になるという感じです。
実質的には「60% OFF!!」です。
しかも、都立中学に合格した場合は、3月以降の授業料が無料の対象ではなくなります...
ena小学部 2020年度本科コース案内
https://www.ena.co.jp/primary/course/
ただ、都立中学に合格して授業料が有料になったとしても、かかる授業料は月額 6,000円です。
小学校 6年生のときは月額 36,000円も支払ってきていますので、ずいぶん負担が軽くなったなぁ、と感じるから不思議です。
完全に感覚がおかしくなっています。
ちなみに、我が家が小学校 6年の 1年間に支払った塾の学費は約 140万円です。
詳細は「都立高附属中学、都立中等、九段中等受験の難しさを数字で確認。塾の授業料の詳細も」の記事を見ていただければ、と思いますが、通常授業を超える金額を夏期講習や日曜特訓などの授業料として支払っています。
「スタジオアリス」では「撮影料無料!」キャンペーン
ビジネスの世界では「基本料金無料!」みたいなキャンペーンもよくある手段です。
「スタジオアリスは危険?七五三の記念写真で平均単価は5万円」で「スタジオアリス」の記事を書いていますが、「スタジオアリス」では「撮影料無料キャンペーン!」っていうのをよくやっています。
「撮影料無料!」と聞くとずいぶん得した感じがするのですが、撮影料は「3,000円(税別)」なのです。
対して、写真の購入費用は総額で 40,000~70,000円ほどしますので、撮影料の「3,000円」を値引きされても、総額に影響したのかどうかよく分からない額になってしまうのです。
「撮影料 3,000円」は、初めから値引きキャンペーンをするために設定している金額なんだろうなぁ、という感じがします。
enaのビジネスモデルを分析してみて
enaの合格率を計算してみたり、市場占有率を計算してみたり、enaの高校受験生を青田買いする仕組みを考えてみたりしましたが、しっかりしたビジネスモデルがあり、少子化が進む中でも業績を拡大していける仕組みがあると感じました。
ビジネスモデルが確立され、収益が安定すれば、よりよい先生を採用することができ、それが実績にもつながり、塾生にとっても大いにメリットが生まれる、と言う好循環につながるのではないか、と思います。
ちなみに、この記事は、子どもに通わせるための塾として enaが適しているか、否かと言う視点でより、学習塾 enaの運営企業である「株式会社学究社」が投資対象として適しているか否か、今後も伸びていくと判断していいのか否か、と言う視点に重きをおいて書いています。
今後ますます少子化が進む中で、学習塾を投資先として選んでいいのか。
「株式会社学究社」を投資先として選んでいいのか。
それを判断する一助になれば、と思っています。
都立中等・中学・九段中等受験に関する記事
中学受験が頭をよぎったらまず「二月の勝者」を読むことをオススメします都立一貫校(都立中等、附属中学)、九段中等の入学辞退者と繰り上げ合格者の分析
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