政治とは何か?選挙権が18歳からになるので子供に分かるように説明してみる。
政治とは何か?子供向けに書いてみる
「政治」とは何か?
言葉の意味、学問的な意味であるならば、辞書を引くなり、ウィキペディアをみるなりしてもらえればいいと思うわけですが、子供に説明するにはどう説明すればいいだろうか?って言うことで考えてみました。
とはいえ、うちの子供の小学生にはやや難しく、今年の参議院選挙からは選挙権が 18歳からになるので、それにあわせて高校生くらいを相手にすることをイメージして書いています。
政治とは何か?
政治とは「社会をいい世の中にしていくための仕組み」です。
政治っていうのは、社会を、世の中をいい世の中にしていく仕組みです。
でも、「いい世の中」っていうものが一人一人違うわけです。
ここが、政治に関する理解の最大のポイントだと思うわけです。
例えば、年金のこと。
年金を納めている若者は「年金の納付額は少ない方がいい」と思うでしょう。
でも、年金を受け取っている年配者は「少しでも多くの年金を受け取りたい」と思うでしょう。
例えば、子育てのこと。
子育て中の親は「家から近い保育園に通わせたい」「保育料は安い認可保育園に通わせたい」「医療費も負担を軽減してほしい」と思うでしょう。
でも、子育て中じゃない人にとっては「保育園は迷惑施設だ」「保育園より税金を安くしてほしい」「子供がいない家庭は損じゃないか」と思う方もいるでしょう。
男性と女性とでも求めるものは違うでしょう。
そんないろんな人がそれぞれ思い浮かべる「いい世の中」は違うので、いろいろな意見を取り入れつつ、最大公約数的な「いい世の中」を作っていくことが「政治」だ、と言うことです。
それが、民主主義の政治の仕組みです。
「いい世の中」と思えるのは受益者になるということ
「いい世の中」っていう表現をしましたけども、いい世の中だと思える状態にいる人は「受益者」になったということです。権利・利益を得られる側になったということです。
つまりは、望みを出し、その望みを叶えてもらう側は「受益者」。得られるものは、「利益・権利」ですね。
その権利をすでに持っている人は、「既得権益者」ということになります。
新しい「いい世の中」に作り替えようとすると起こること
で、今ある状況から何か新しいものに変えていこうとすると、そこには既得権益者があり、新しい受益者となる人と利益の取り合いが起こるわけです。
既得権益者はそれまで得られていた権利・利益を侵害されるわけですからね、当然反対するわけです。
でも、何かを変えていくことで、受益者がより多くなり、国全体、地域全体としてみたときにトータルの利益がより大きくなる場合は、既得権益者の利益を縮小させつつ、新たな仕組みを作っていこうとするわけです。
その調整をすることが政治家の仕事です。
もちろん、0-100という決着ではなく、20-80、30-70といったお互いが納得しやすい落としどころに調整するのも政治家の仕事なわけです。
なので、玉虫色の決着も多いわけです。
「政治は数」「政党」の仕組み
「こういうことをやってほしい」という要望があったとして、それを実現するには、1人で要望するより、同じような要望を持つ人を集めて、大勢で要望を出す方が望みが通りやすい。
そうやって集まった政治家のグループが「政党」ということです。
また、政治家は自らの信念に基づいて政治家になる場合もあります。
ですが、特定の受益者のグループが、自らの利益を獲得するために政治家を擁立する場合もあります。
例えば、労働者のグループとして、労働組合(労組)があります。その多くの労組が集まって労働者の権利を主張しているのが「日本労働組合総連合(連合)」です。
連合からも政治家を擁立して国政に国会議員を送り出してもいますし、既存政党を支持することで自らの利益を最大化しようと活動もしています。
他にも、経営者であれば「日本経済団体連合会(経団連)」「経済同友会」「商工会議所」といったグループがあり、医者ならば医師会、教員では日本教職員組合(日教組)、郵便局の局長は全国郵便局長会(全特)...といった形で自分たちの利益を最大化するために活動をします。
宗教団体と密接に結びついている方々もありますね。
そもそもは、それぞれの業界の団体であり、業界内での様々な問題の調整などを行う団体ではありますが、自らの利益を最大化するために積極的に政治への参加も行っていて、それぞれ自らの利益を最大化してくれる政治家や政党を支援するわけです。
支援するというのは、選挙の際に各グループの参加者に対して、特定の政党や政治家に投票するよう呼びかける、と言うことです。
そして、政治家が選挙を経て国会議員になった場合には、支援してくれたグループが求めている利益を得られるよう、政治家は法律などを作るよう活動をするわけです。
政治とは権利・利益の奪い合いなのです。
利益というとあからさまな感じがする方もいるかもしれませんが、先に書いた「年金の納付額を減らしてほしい」「年金受給額を増やしてほしい」というものも立派な利益の要望なわけです。
また、得られる権利・利益は、数が多い方が、声が大きい方が、言い続ける方が多くなるのです。
だからこそ、政治は数が何より大事なのです。
だからこそ、政党は一人でも多くの政治家を当選させようとするわけです。
なぜ若者に優しい世の中にならないのか?
最近の政治が年寄りに優しく、若者に厳しい政策によりがちなのは、若者が政治に参加しないからなのです。
若者が政治に参加しないので、若者に向けた政策を行っても支持してくれないので、若者向けの政策は後回しになるのです。
若者が選挙に行かないから、若者の利益を大きくしようとする政治家が生まれて行かないのです。
民主主義の政治体制において、自らの利益を大きくするための活動は、自ら政治家になるか、選挙で投票するしかないわけです。
まぁ、自ら官僚となり、政治家を操るほどの立場になれば別でしょうけども。
望みもいわずに、声を上げずに、行動もしなければ、つまりは、選挙に行って自らの意思を投票と言う形で表さなければ、権利・利益は奪われて当然なのです。
現状で満足していると思われて当然なのです。
民主主義おいて、選挙に行かない人は、自ら得られる利益を破棄していることと同じなのです。
選挙に行かない人は、社会に対して不満を言う権利も放棄しているということなのです。
若者が選挙に行けば世の中は変わる
若者の投票率は低いわけですが、それに対して「投票しても変わらないじゃん」という意見があります。
ですが、投票に行かなければ何も始まらないのです。
そして、投票に行くことで、投票率を上げることで、変えることができるのです。
20代の投票率が倍になれば、政治家はその年代のことを考えないわけにはいかなくなるのです。
自ら明確な主張をする必要はありません。
20代の投票率が倍になるだけで、20代の票をほしいと思う政治家は、20代が望むことをリサーチして、投票してくれそうな政策を打ち出してくるでしょう。
そうすれば、20代のみんなが「いい世の中」と思える社会に変わっていくでしょう。
だからこそ、投票に行く必要があるんです。
デモへの参加は政治参加ではない
最近は日本でもデモが起こるようになりましたが、デモへの参加は政治への参加ではありません。
デモは権利として認められてはいるものの、選挙によって選ばれた政治家が決めたことが、デモによって覆っていては、民主主義の根幹を否定することにもつながります。
デモに参加するくらいならまず選挙に行け、です。
デモに参加している方のうち、選挙の投票に行っていない方がどれくらいの割合でいるか知りたいな、と思ったりもしますね。
政治家は監視する必要がある
ちなみに、先にも書きましたが、政治とは権利・利益の奪い合いです。
権利・利益を獲得することが政治家の仕事なのです。
そのため、国のため、地域のため、国民のための利益を得るために活動しているのですが、いつの間にか、自分のためや特定の個人やグループの利益のために活動してしまう政治家も出てきてしまいます。
なので、そんな場合には厳しく対処できるよう、もっとしっかりと政治家を監視する仕組みも必要なんです。
「政治」のことを「まつりごと」っていうのはなぜ?
もう一つちなみに、「政治」のことを「まつりごと」と言うこともあります。
なぜ「政治」のことを「まつりごと」というのでしょうか。
それは「祭ごと」だからです。
大昔の「政治」とは、「祭」、「祭事」だったからです。
日本では、豊穣を願って神に祈りをささげる祭事を執り行うことが政治であったわけなので、政治のことを「まつりごと」というわけです。
今でも、天皇陛下は国家と国民の安寧と繁栄を祈って祭祀を執り行ってくださっています。
天皇陛下が大きな祭祀を行う日のことを「祭日」と言います。
なので、戦前は祝日と祭日とには違いがあったわけですが、現在は法律上「祭日」はなくなっていますね。
世界的に見ると民主主義国家ばかりではない
さらにもう一つちなみに、先日テレビで言っていましたが、世界 160か国の 3分の 1に当たる約 50か国が独裁体制の国だそうです。
日本にいると民主主義国家が圧倒的に多いと考えがちですが、そうではないようですね。
ただ、独裁体制だからと言っても北朝鮮や中国の様に国民の主権が制限されている国ばかりではないということも事実です。
独裁体制の方が意思決定が早く、利益の最大化がよりスムーズに行われる場合もあり、政治体制そのものが問題なわけではない、と言うことでしょうね。
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