「初詣=三社参り」という福岡の風習を太宰府天満宮を軸に考察する
「初詣=三社参り」の謎を太宰府天満宮を軸に考察する
福岡を中心として西日本に残る「三社参り」という風習について考察してみました。
福岡を中心とした西日本ローカルな風習「三社参り」とは?
「三社参り」は、福岡を中心として残る風習で、初詣のときに 3箇所の神社にお詣りに行くことをいいます。
例えば、
朝起きて、まずは地元の神社にお詣りに行く。
そして、雑煮を食べてから、太宰府天満宮、筥崎宮にお詣りに行く。
といった感じです。
太宰府天満宮の初詣は激混みですので、三社参りに太宰府天満宮を組み込むと三社詣るのはかなり疲れますが、「初詣といえば三社参り」を当たり前のように思っていましたので、「三社参り」自体に疑問を持つことはありませんでした。
そして、三社参りが福岡を中心としたローカルな風習であることを知るのは、関東出身の妻と結婚してから 10年くらい経ったころでした。
「三社参り」が福岡を中心としたかなり限られた地域の風習だということを知ったときはかなりの驚きがありました。
それどころか、関東圏の方々は、複数の神社にお参りすると神様が喧嘩して願いを叶えてくれなくなる、といったマイナスの印象を持つ方も多いように感じています。
複数の神社にお参りすると神様がへそを曲げるということも分からなくはないです。
ですが、日本は古来より一神教ではなく、万物に八百万の神々が宿ると考える国ですので、いろいろな神様に感謝して複数の神社にお詣りに行くことは悪いことではないと思うんですよね。(と、言い訳をしてみる。)
「初詣=三社参り」は神社業界のプロモーションだった!説
さてさて
そんな感じの「初詣 = 三社参り」という福岡を中心とした地域限定の風習ですが、
「では、なぜ、三社参りという風習が始まったのか」
を勝手に想像してみることにしました。
福岡の神社といえば太宰府天満宮
たぶんこうだったんじゃないか劇場
「三社参りは神社業界のプロモーションだった!!」
太宰府天満宮は、学問の神様として知られる菅原道真公を祀る神社で、学業成就が主なご利益として知られています。
そのため、受験シーズンを始めとして、合格祈願、成績アップなどを祈願するために多くの参拝者が集まってきます。
菅原道真公は、生前からスーパースターでしたので、菅原道真公が祀られている太宰府天満宮は建立時からずっと多くの方の参拝者を集めていたのではないか、と思います。
太宰府天満宮以外の福岡で有名な神社
しかし、福岡には太宰府天満宮の他にも広く知られた神社が存在しています。
筥崎宮
勝負の神様を祀る神社として有名で、毎年ソフトバンクが開幕前に参拝している。
「玉せせり」や「放生会(ほうじょうや)」などが有名。
https://www.hakozakigu.or.jp/
住吉神社
住吉神社の始祖であり、大阪の住吉大社、下関の住吉神社とともに「三大住吉」の 1つ。
https://www.nihondaiichisumiyoshigu.jp/
宮地嶽神社
創建 1600年を数える宮地嶽神社の総本山。光の道で一躍脚光を浴びる。
http://www.miyajidake.or.jp/
宗像大社
世界遺産となった沖ノ島をご神体とする神社。
https://munakata-taisha.or.jp/
櫛田神社
博多祇園山笠が行われる神社。山笠の飾り山が常設されている。
https://hakatanomiryoku.com/spot/%e6%ab%9b%e7%94%b0%e7%a5%9e%e7%a4%be
https://www.hakatayamakasa.com/61866.html
その他にもいくつもの有名な神社があるわけですが、「福岡の神社は?」と聞かれて最初に頭に浮かぶのは、やっぱり「太宰府天満宮」なのではないか、と思うのです。
空気を読むことに長けた日本人は、みんなが太宰府天満宮に初詣に行くならば、じゃぁ私も太宰府天満宮にしようかな、と思うことが多いのではないでしょうか。
今も昔もそんな感じで太宰府天満宮の参拝者は多かったのではないかと思うのです。
太宰府天満宮以外の神社にもお参りしてもらう方策を議論する
そして、そんな状況に不満を持ったのが太宰府天満宮の周辺の神社の方々だったのではないか、と思うのです。
太宰府天満宮にあんなに一極集中せずに
我々の神社にも参拝に来てくれないかなぁ...
なんとかして我々の神社にも
参拝してもらう方法はないものだろうか...?
そうだ!!
初詣は一社じゃなくて三社詣る方が
ご利益があるってことにしないか?!
なにっ、それいいね!
太宰府天満宮に行かないようにするわけじゃなくて
太宰府天満宮に行ったあとに我々のところにも来てね!
ってことだから誰も損をしないね!!
すげーな、それ!!
初詣は三社参り!ってことが一般化すれば
延べ参拝者数は 3倍だな!
最高だな!
神社業界みんなが潤うわけだから
これを風習として広めていこう!!
なんてことがあったのではないか、と思ってしまったのです。
今で言うところのインフルエンサーのような人に声をかけ、
今年の初詣は三社も詣ったんだけど、
今年はつきまくりだったよ!!
三社詣ると三社分のご利益が
相乗効果であるんだね!!
なんてことを言いふらしてもらったりしたのではないでしょうか。
三社参りはみんなが幸せになる仕組みなので全国展開を!
三社参りが福岡を中心とした一部地域のみの風習だと知ったのはつい数年前だったわけですが、三社参りのことを知らない関東の方々は、「そんなにあちこちお詣りをしたら神様が喧嘩してご利益を授けてくれないんじゃないの?」「あちこちお詣りしたらご利益が薄まったりするんじゃないの?」といった感覚もあるようで、初詣は一社しか行かない、という方が結構いるように感じています。
「初詣は一社限定!」でお詣りをすることが基本となった場合、二社目、三社目とお詣りする人はいないわけなので、初詣で潤う神社は一社のみとなるわけです。
マーケットの最大数は人口と同じとなるわけです。
ですが、三社参りとなれば三社詣ってくれるわけですので、マーケットの最大数は人口の 3倍まで増やすことができるわけです。
三社参りという風習で一番潤うのは神社業界なわけですので、「三社参りという風習を神社業界が仕掛けたプロモーションだ」としてもそれを否定できる要素はまったくないわけです。
現実問題として、「三社参り」とは言いますが三社で終わらないことも多々あり、四社、五社詣ることもあります。
そもそも、「三社参り」は「三社」にこだわりがあるわけではなく、多くの神社にお参りすればその神社ごとのご利益を重ねて享受できるという考えに基づいていますので、時間と体力が許す限りあちこちの神社をめぐるのです。
そして、神社をめぐりながら地元の美味しいものを食べながら散策するわけですので、三社参りの経済効果は非常に大きなものと言えるでしょう。
いつ頃から始まった風習なのかは分かりませんが、三社参りが広まり始めた頃から神社業界、および、その参道の茶店なども相応に潤ったことでしょう。
そう考えると、三社参りという風習は、福岡を中心としたローカルな風習にとどめておくのはもったいない!
先にも書きましたが、関東の方の中には「初詣は一社だけのご利益をしっかり守る」という考え方の方もいるようで、複数の神社にお詣りすることを避ける方もあるようです。
そのため、関東を始め全国の神社の方々も三社参りの風習をもっと一般的になるように広めて、初詣でももっと多くの神社にお詣りをすることをスタンダードにしていくといいんじゃないかと思います。
正月はあちこちの神社に参拝をして、地元とのお店を巡って美味しいものを食べて、ガッツリと経済を動かすことで景気も良くなっていくんじゃないかと思います。
神社界隈の景気が良くなると、巡り巡って私達自身も景気も良くなっていくでしょう。
そうやって景気が良くなれば、みんなご利益があったと思うんじゃないでしょうか。
太宰府天満宮は商売繁盛の神様?!
こぼればなし
太宰府天満宮の祭神である菅原道真公は学問の神様として知られています。
ですが、地元福岡では太宰府天満宮は「商売繁盛の神社」として知られています。
なぜか?
太宰府天満宮の境内を始め、境内に通じる参道、参道にあるお店などは、高度経済成長時代に急速に整備され、現代的に、かつ、キレイになりました。
かねてより有名な神社ではありましたが、すごい勢いでキレイに、立派になっていく太宰府天満宮を見て、地元の方々はこう思ったそうです。
「太宰府天満宮にあやかって商売をすると儲かるねぇ」って。
「太宰府天満宮様様だ」って。
そして、そんな状況を見た方々が思ったわけです。
「太宰府天満宮は商売上手だねぇ」って。
「太宰府天満宮は商売の神様だったんだねぇ」って。
「私達も太宰府天満宮様のご利益にあずかりたい」ってね。
太宰府天満宮の太鼓橋はカップルでは渡ってはいけない
こぼればなし・その2
有名なレジャースポットにはよくある噂話ですが、太宰府天満宮の太鼓橋をカップルで渡ると別れる、と言われています。
理由は、
菅原道真公は学問の神様なわけですが、学問には恋愛は必要ない!として別れさせる。とか。
菅原道真公は京都から流されてきたわけですが、カップルを見ると羨ましくて別れさせる。とか。
と言われています。
しかし、現実的な話としては、
学問の神様なので受験に向かう頃に参拝に行くことも多いわけですが、受験勉強中にはなかなか会うこともままならなくなり、そのまま疎遠になってしまう...とか。
受験にどちらかだけが失敗して、通う学校が違ってしまったり...とか。
受験には成功して合格したけど、どちらかだけが東京や大阪に上京してしまい疎遠になってしまう...とか。
そんなことが原因なんじゃないか、と思います。
そんなこんなありまして、福岡では「二人で太宰府天満宮に行こう」というセリフは、別れ話のきっかけとして使われることもあるようです。
「太宰府天満宮に」と言われると、「あぁ、ダメなんだ」と思うのだとか。
太宰府天満宮の参道には珍しいスターバックスがある
ちなみに、太宰府天満宮には全国でも珍しいスターバックスがあります。
神社の参道にあっても場の雰囲気を壊さないように木がふんだんに使われて和風な雰囲気で作られています。
太宰府天満宮を始めとして、福岡の神社でよく見かけるのが「梅が枝餅(うめがえもち)」です。
初詣に行って寒い中で食べる熱々の梅が枝餅は絶品です。
焼き立ては外側がカリカリしているのですが、持ち帰ってくると湿気でこのカリカリがなくなるので、カリカリ感を楽しむには現地で食べるしかないのです!
(まぁ、オーブンレンジで温めるとカリカリ感は復活しますけどね。)
最後に、筥崎宮で行われる「放生会」は「ほうじょうや」と読みます。
一般的には「ほうじょうえ」と読むのですが、未だに「ほうじょうえ」の方が違和感があるのです...
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