「予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」」から得られる子育てへの教訓 その2
2014/07/29
1回では書ききれなかったので、その2を書きますね(笑)。
1回目の記事は↓こちら
「予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」」から得られる子育てへの教訓
http://papataro.s-se.info/229
子育ての基本として考える必要があると思いましたので、11章、12章のことを書きましたが、その他の章では、子育てをしていく上で子どもをその気にさせる方法もいくつか提示されています。
2章の「需要と供給の誤謬」では、トムソーヤの冒険の話が例に出されています。
トムソーヤはおばさんから壁のペンキを塗るように言いつけられるのですが、友達に「手伝って」と言っても友達は手伝ってくれません。
ですが、トムソーヤは楽しそうにペンキを塗ることで友達を惹きつけ、最後にはお金をもらって手伝わせることに成功したわけです。
これは、ただのお話ではなく、実際に起こりえることだと説明しています。
そのため、子どもに何かお手伝いをさせる際、勉強をさせる際、「しなさい」と言うのではなく、自らそれをやりたいと思わせるような仕掛けを作ってあげることで率先してやるようになります、と言うことですね。
自らやりたいと思った場合は、効率もよくなりますし能力を遺憾なく発揮してめきめきと成長していくでしょう。
例えば、勉強や小テストなんかをクイズ形式にするとか、成績がどんどんアップしていくのをグラフなんかで見せてあげるとか、問題集の回答時間を計ってあげるとか....そんなことで子どもは自分から勉強してくれるんじゃないでしょうかね。
6章の「先延ばしの問題と自制心」では、人はきっかけがなければどんどん先延ばしにしていくものだ、と書かれています。
例えば、夏休みの宿題。
結局いつも夏休みの最後の週でまとめてやらなくちゃいけなくなるのは、それは人の本質であって仕方がないわけですね。
でも、そうならないためには、ちゃんと子どもに説明をして、自分で、毎週末にどこまでするのか、いつまで二度の教科とどの教科を終わらせるのか、それをしっかり決めさせましょう。
そして、それをしっかり見守ってあげることで子どもは自主的に決めたルールを守るようになるでしょう、と説明しています。
何かスポーツやピアノなどの音楽を習わせる場合なんかでも、ただ習わせるだけじゃなく、1ヶ月後、3ヶ月後までにこれが出来るようになろうね、そんな目標を決めてあげる方が上達が早い、って言うことですね。
4章の「社会規範のコスト」では、楽しみでやっていたことであっても報酬をもらった途端に楽しくなくなる、と言うことが書かれています。
上記の項目の逆になるわけですが、子どもが楽しんで勉強していたのに、更にいい成績を取ってもらおうとして、次のテストで「100点を取れたら 1,000円の特別お小遣いを上げるよ」と言ってしまうと、その頑張りがお金の金額(経済的な尺度)で評価され、意欲の減退につながるワケです。
子どもにとって 1,000円がすごい大金であったとしても、次からは、その 1,000円以上に提示がない限り子どもは意欲を持つことが出来なくなるでしょう。
ただ、現金(もしくは、いくらの価値があるものか分かるものも同質)ではなく、遊びに連れて行ってあげるとか、ケーキを食べさせてあげるとか、具体的な経済的価値と離れたところにあるプレゼントは問題ないと書かれています。
夫婦間で、奥さんが作ってくれたご飯に対して、夫が「今日は美味しかったから 500円払うよ」っていわれたら、「たった 500円?もう作らないわよ」って思うようなものですね。
経済的な金銭ではなく、「今日はすごく美味しかったよ。また作ってね!」って労をねぎらってあげるだけで十分なわけです。
同じように、子どもの頑張りに対しても、十分その頑張りを認めてあげるように精一杯ほめてあげることで十分なわけです。
最後に、8章の「扉をあけておく」ですが、これは子育てをする上では非常に難しい問題です。
最善ではない選択肢も残そうとしてしまうために、結果として最前の選択肢を生かし切れなくなってしまう、と書かれています。
つまりは、小さい頃はいろいろな可能性がありますので、いろいろなことに挑戦させていろいろな可能性を残しておいてあげたい。そして、子どもが自分で選べるような年齢になったときに自分で選ばせてあげたい、と思うわけですが、それが結果的に、子どもの持つ一番の才能も開花せずに終わってしまう可能性につながる、と言うわけです。
「この子にはこの才能がある!」そう思ったときは、他のことはさておき、その才能を徹底的に鍛えることが大事。その他に可能性があるものがあったとしても、その他の可能性を残すために労力と時間をかけるより、「これ!」と決めた能力を徹底的に伸ばしてあげることの方が結果的にその子の才能を伸ばすことが出来る方法だ、と言うことですね。
イチローは、ホームランを打つ技術も持っているわけですけども、あれこれ頑張るより、ヒットを打つことだけに集中してその技術を磨いてきたからこそ、メジャーに行っても活躍できたわけです。
同じように、子どもを見ているといろんな可能性を感じるわけですけども、「これだ!」って思える才能を見つけたときは、それだけを伸ばしてあげられるような教育をしてあげることが大事なんですね。
ただ....7章の「高価な所有意識」にも書いてあるのですが、今持っているものを手放すことは非常に難しく、どうしてもついつい他の才能も伸ばしてあげたい、この才能をなくしてしまうのは惜しい、と思ってしまうものなんですよね。
それに、これは日本の教育制度の問題もあるわけですけども、オールマイティな能力を求められがちなので、ある一つの教科だけ突出しているとか、スポーツだけが出来る、音楽だけが出来る、と言った子どもはあまり学校で認められないので、そう言う場合はしっかりと親が子どもを守ってあげることが出来るかどうかも大事なことになりますよね。
日本の社会はまだまだ勉強が出来る人の方がすごい、と言う風潮があって、スポーツや芸術分野で活躍していてもなかなか評価されない世の中ですからねぇ....
果たしてそんな子育てをしてしまって、この子のためになるんだろうか?そう思えてしまうワケなんですよね。
特に、うちの子は女の子なので...
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